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ヴァルター・グロピウス(Walter Gropius)1883-1969 ドイツ

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モダニズムを代表するドイツ人建築家。
近代建築の三大巨匠(ル・コルビュジエ、フランク・ロイド・ライト、ミース・ファン・デル・ローエ)に加え、4人目の巨匠とされています。
「造形は機能に従う」と言って、世界中に建築することが可能な、統一された様式のインターナショナルスタイル(国際様式)を提唱しました。デッサウのバウハウス校舎は、その実例となり、モダニズム建築の代表作として、世界中に知られるようになります。
その後、アメリカの建築家、フィリップ・ジョンソンの企画で、インターナショナルスタイルの展覧会(ニューヨークMOMA)が開催され、建築界の主流になっていきました。

1883年にベルリン生まれ。1903年ミュンへン、1905年~1907年まではベルリンで建築学を学びました。
1908年~1910年まではペ-タ-・ベ-レンスの事務所(ミースやコルビュジェも在籍)に勤務し、その後ベルリンに建築事務所を設立。
以後、1925年までの大部分を、共同経営者のアドルフ・マイヤ-(グロピウスの代表作のすべてに関与)と共に仕事しました。
1911年からアルフェルトのファグス工場を建築。1919年、ベルリンで芸術研究会会長に就任し、芸術大学の学長としてワイマ-ルへ行きます。
1919年4月1日の学長就任と同時に、学校名を「ワイマ-ル国立バウハウス」とし、1925年にデッサウへ移転後、新しいバウハウス校舎を設計します。
1928年4月まで、年令にして36歳から45歳まで、バウハウスの学長を勤め、1921年3月から1925年4月まで、指物部の形態マイスタ-としても活躍しました。
1934年から1937年まで、ロンドンでマックスウェル・フライと事務所を共同経営。
その後、1937年にアメリカへ移住しますが、アメリカでのグロピウスの実作はそれほど多くありません。
しかし1952年まで務めたハーバード大学建築科教授時代に、大学教育を通じて、アメリカにおけるモダニズム建築の普及に多大な影響力を持ちました。
その後の超高層ビルにおけるインターナショナルスタイルの普及は、ミースやSOMの手にゆだねられることになります。
1969年、ボストンにて86歳で死去。
 
 
バウハウスについて

ドイツのワイマール市に開校された造形芸術学校。
(Bauhaus 1919-1933)ドイツ語で建築の家」を意味します。

バウハウスは、ヴァルター・グロピウスによって1919年ワイマ-ル国立バウハウスとして成立。
設立当初は、単なる建築家を養成する造形学校でしたが、後にバウハウスのモダニズム思想は極めてアバンギャルドな性格を持ち、
教育運動、造形運動、工房活動などの様々な特性が、その後の時代に決定的な影響を与えました。

バウハウスとはデザイン様式のことをいうのではなく、近代産業革命によって工業製品の大量生産化の発展により、

その渦の中へ取り込まれてしまった芸術を救い出すために、温かみがある手工業芸術を復活させて
美術芸術意識全体を向上させるという思いのもと、
「建築」という目標を掲げた、いわば一般に対して広く意識させることを目標とした、
教育システムのことです。


しかし当時としては斬新な考えのため、保守層には攻撃をうけますが、
グロピウスは職人的手仕事の復興を唱え、
芸術家や建築家のために専門の教育を行いました。

生活機能の基本である「建築
のもと、彫刻・絵画・工芸などの諸芸術と職人的手工作など、一切の造形活動を結集して、
芸術と技術の再統一を図るという教育理念のもと実施し、デザイン運動のひとつの頂点を極めたものとして、高く評価されています。

1926年にグロピウス自身が設計したデッサウのバウハウス校舎から、近代工業が発展しつつある当時において、
その生産形式・生活様式に応じた芸術のあり方を示しました。
その後、校長はハンネス・マイヤーを経て1930年ミース・ファン・デル・ローエに代わりますが、
バウハウスは1932年ベルリンへの移転、
1933年にはナチス政権によって閉校に追い込まれて、14年間の短い歴史に幕を下ろしましました。


モダニズム建築に多大な影響をもたらしたバウハウスですが、
その中でもバウハウスの主唱者たちによる作品とデザインは、
今でもなお世界中に影響を与え続けています。
特に
グラフィックデザインおよび家具デザインの分野でバウハウスが主張する「芸術と技術の統一」は、理想的な方法で成果をあげてます。

その後の
ミースグロピウスに遅れること1年後の1938年にアメリカへ移住し、
シカゴのアーマー大学(現在のイリノイ工科大学)の教授を務めています。

Tabi/世界の建築 2010年6月
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