落水荘(フォーリング・ウォーター)ことカフウマン邸。
ピッツバーグから自動車で2時間位のペンシルベニア州、ミルランの山の中にあります。
フランク・ロイド・ライト晩年の作品で、当時どん底の状況から復活することが出来た作品で、彼の代表作の一つとなりました。
Tabi/世界の建築 落水荘を訪ねて(アメリカ・ペンシルベニア)No.19 Tabi/世界の建築トップページ

落水荘(フォーリング・ウォーター)
2011/1/5
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- 2011年1月
フランク・ロイド・ライト(Frank Lloyd Wright) アメリカ 1867-1959

「近代建築の三大巨匠」の1人、アメリカの建築家。
プレーリースタイル(草原様式)の住宅設計で知られるようになりました。その後プライベートな事件をきっかけに、アメリカでの名声を失います。かなり精神的打撃を受けたライトでしたが、そんな中で、日本の帝国ホテル新館設計の依頼を引き受けます。
(写真左は、現在愛知県の明治村に移設されたライト館の正面玄関)
しかし完璧主義者だったライトは多大な予算オーバーと工期の遅れにより、経営陣と衝突します。
建築途中に解任され日本を離れたため、彼自身、完成した帝国ホテルを見ることはありませんでした。その後の設計は一番弟子の遠藤新に引き継がれています。
晩年になってカフウマン邸、ジョンソンワックス社のキャンティレバー構造が注目され、再び表舞台に返り咲きました。
彼の作品はアメリカ本土内と、日本では旧山邑邸(ヨドコウ迎賓館)、自由学園明日館などがあります。
落水荘(フォーリング・ウォーター)(1936) フランク・ロイド・ライト
カフウマン邸は週末住宅としてここに建てられました。
ユニークなのはその立地で、依頼主のカフウマンは滝を眺める家をオーダーしたそうですが、あたかも滝の上に建てられているかのような家になりました。(相当もめたらしい)
リズミカルなキャンティレバーのテラスは、経年によりかなりたわんできたこともあり、改修工事によって、現在では鉄骨フレームで支えられています。

ライトはかなりの浮世絵収集家だったことで、前北斎為一(葛飾北斎)、諸国瀧廻り 木曽海道小野ノ瀑布のイメージで設計されたという説があります。(絵左)


ビジターセンターで受付します。ショップもありますよ。


超有名なアングルのショットですね。
同じになる理由は、現地に行くとちょうどこの位置で、撮影出来るスペースが設けられていているからです。
落水荘はアメリカ建国200年のなかで、雑誌社の投票で第1位の名住宅建築に選出されています。






ここがエントランスですが、入口は暗いです。



オーガニック・アーキテクトのデザイン。




巨大な岩を残して、そのまま建設されています。







岩盤が梁を支えています。




その名も「ザブトン」。

滝に降りられるゲート。アインシュタインが滝へ飛び込んだらしい。






滝の音がすがすがしい。




暖炉前のリビングに突き出た岩。残したまま施工されました。





リビングの広さは、約168平米あります。


















増設された隣接するゲストハウスへ移動します。
実はゲストハウスがあるなんて知りませんでした。


キャンティ・レバーの通路屋根。








チャップリンもアインシュタインも泊ったみたい。


カフウマン一家。(夫妻とジュニア)ジュニアがライトの弟子でした。







落水荘は、ライトが建築が周辺環境とともにその一部となりえることを証明した住宅です。
現在では毎年12万人以上の人々が訪れる名住宅建築として君臨しています。