ヘルシンキの記憶 人口約57万人、フィンランド南部に位置するヘルシンキはフィンランド共和国の首都です。 街には近代的な高層ビルなどは無いですが、その代りにすばらしい自然と新古典主義から機能主義、モダニズム建築までの時代の流れに沿った注目すべき建築が点在しています。
ヘルシンキ中央駅 現在のヘルシンキ中央駅はエリエル・サーリネンの設計です。 彼はイームズ夫妻の家具デザインに大きな影響を与えたことで有名です。そのイームズの知人でもある息子のエーロ・サーリネンは、ミッド・センチュリーのアメリカを代表する建築家です。
テンペリアウキオ教会(石の教会) ロックチャーチことテンペリアウキオ教会は、ヘルシンキ中心部の住宅街にあります。 ティモ、トゥオモ・スオマライネン兄弟によって設計されました。内部の壁は巨大な岩をくり抜いたままの姿で、天井はその上に鋼板の円盤型ドームが乗っています。
キアズマ スティーブン・ホールのキアズマことフィンランド現代美術館の建物外観は、その流れるフォルムと交差していることが特徴です。また館内も動きを感じさせるデザインになっています。 キアズマとは生物学的な染色体間の交叉のことを意味しており、その遺伝子情報(アート)満載の館内は静寂でありながらスピード感があって、ちょっとドキドキしますよ。
フィンランディアホール/アカデミア書店 フィンランディアホールはコンサートホール、会議場などに使用されています。訪問時は休館でがっかり。(雨が降るし・・) もうひとつはヘルシンキの街なかにあるアカデミア書店です。斬新なデザインのトップライトが特徴で、2階奥には当初のままのカフェ・アアルトがあります。ここでは昼食を軽くすませました。
アアルトのアトリエ アアルトのアトリエは、自邸から歩いて15分程の所にあります。 こちらも閑静な住宅街の中に建っています。建物は外部・内部とも明るくて、アアルトとスタッフが、互いの緊張感のなかで、気持ちよさそうにミーティングをしている声が、いまにも聞こえてきそうな空間でした。
アアルト自邸 閑静な住宅街にあるアルヴァ・アアルトの自邸です。 建物・家具などのほとんどをアアルトがデザインしています。人にとてもやさしく温かみを感じる住宅で、建物内の随所にいろいろな工夫がされていて、とっても気に入りました。 ヘルシンキを訪れたら必見ですよ。
オタニエミ礼拝堂(アアルト大学内) オタニエミ礼拝堂は工科大学学生のためのチャペルです。主に学生たちの寄付によって建てられました。カイヤ&へイッキ・シレン夫妻の設計で、たいへん美しい礼拝堂です。 安藤忠雄の水の教会は、ここを参考にしたと言われています。
アアルト大学(旧ヘルシンキ工科大学) アアルト大学はアアルトの出身大学です。1949年のコンペで、ヘルシンキ工科大学のキャンパスとオタニエミの全体計画を獲得しました。 ここでも外壁には主にレンガを使用しましたが、レンガを利用した大規模なプロジェクトはこれで最後になりました。
夏の家(コエ・タロ) 夏の家はセイナッツァロ村役場から5キロほどの場所にあります。 さまざまなレンガやタイルのパターン実験が行われた住宅としても有名で、コエ・タロとは実験住宅という意味です。 パイヤネ湖畔の森の中にあり、これがフィンランドという環境のもとに、この夏の家はあります。
セイナッツァロ村役場 セイナッツァロ村役場は、市内からバスで30分位の所にある小さな村役場で、アアルトの最高傑作だといわれています。 コンパクトな建物のなかに役場、議場、図書館などがある複合施設で、アアルトがレンガ造りを、設計の中心に置くきっかけとなった建築です。人に優しく、ユニークな構成なので楽しい空間ですよ。