アントニ・ガウディー(Antoni Gaudi)1852-1926 スペイン バルセロナ南西の商業都市レウスに銅板機具職の子として生まれました。 バルセロナ県立建築専門学校を卒業した彼は、1878年のパリ万国博に手袋店の鉄とガラスでデザインしたショーケースを出品した際、彼の作品を見て才能を感じた、バルセロナを代表する資本家、エウゼビオ・グエル氏と出会いました。 その出会いをきっかけに多くの建築物を設計し、グエル邸、グエル公園、コロニア・グエル教会など、いくつもグエル名が付く建築を手がけました。その中でグエル邸、グエル公園は、ユネスコの世界遺産に指定されています。
サグラダ・ファミリア(聖家族)贖罪聖堂 このサグラダ・ファミリア(聖家族)贖罪聖堂は、構造的にも自然界のいろいろな物をモチーフにして造られいます。ほぼすべてが曲線からなる建造物で、外観は巨大彫刻のようです。 建築というより芸術作品という印象で、ガウディーは、ネオ・ゴシック様式の構造上の欠点を、この建物において幾何学的に研究したと言われています。
カサ・バトリョ バルセロナのパセオ・デ・グラシア通りに面して建つ、海をテーマにして改修された地上5層、地下1層で、屋根裏階が1層ある集合住宅です。 1870年頃に建てられた住宅を資本家、ジュゼップ・バッリョ・イ・カザノバス氏の依頼でこの住宅改築を行いました。曲線的デザインが特徴で、自然光を効果的に取り込んで、その計算された濃淡のあるタイルやステンドグラスの装飾配置が見事です。
カサ・ミラ こちらもバルセロナのパセオ・デ・グラシア通りに面して建っている6階建の集合住宅です。 2つのパティオを中心にして住居(各階4戸)が配置され、地下には駐車場があります。建物の装飾(バルコニー手すり等)はガウディの弟子、ジュジョールによるもので、現在でも住人がいて、建物内にはガウディー小博物館もあります。ガウディーが手がけた最後の私邸です。 これも現代建築とは程遠い様式で、サグラダ・ファミリア同様、直線部分をもたない建物になっていて、ゴツゴツした滑らかな岩の塊というイメージ。屋上には、彫刻的な鉄仮面煙突や埴輪換気塔が立ち並んでいます。
グエル公園 バルセロナの山の手にあるこの公園は、エウゼビオ・グエル氏の依頼により、富裕層向け未来住宅地を構想して造られました。 60棟の分譲予定で販売したが、実際に売れて居住したのはグエル氏、ガウディーとその友人の3軒。結局資金面等の問題もあり、工事は中断し、商業的には失敗に終わりました。1922年に公園としてバルセロナ市に寄贈され、一般公開されています。